伝えたいことはなんですか?
by Saito 2012年05月13日先日、街中にある無人のATMでお金をおろしていたところ、ふいに後ろから
???:『Excuse me』
という言葉が聞こえ、振り向いてみると、観光に来たであろうアジア系の老夫婦が立っていました。振り向いてしまった手前、「どうしたの?」みたいな顔で近付いてみると(この辺りですでに英単語が出てこない自分に気付いてましたが)、どうやら自分たちの持っているお金を円に両替したいんだけど、「ここって出来るの?」みたいなことを言っているような気がする。日本語は全く喋れない様子。
斎藤:『Money change ?』
こんな言葉しか出てこないのか…と、自分にがっかりしながら一応聞いてみるとYesと返答されたので、すごく残念そうな顔をしながらNoって言ってみました。Oh…とか言いながら残念そうにしている彼らを見て「伝わった!」と思ったのですが、多分こんなに喋れない人間がしゃしゃり出てくると思わなかったのでしょう、彼らはその後もどんどん話しかけてくる。「この辺りに両替出来る所はないのか」みたいなことを言っている気がする。もう既にいっぱいいっぱいでしたね。たまたま近くにあるのを知っていたので、確認もせず勢いで、
斎藤:『Come on !』
って言ってました。一緒に歩いてる間も、今がどういう状況で、なぜ私たちは両替したいのかという理由を言っていた気がするのですが、さっぱりわからず。Uh-huhとか適当に相槌をうっていると、ふとこの時間はもう両替やってないんじゃないか?というのを思い出し、これだけはなんとか伝えねばと必死に腕時計を指しながら、
斎藤:『Maybe close』
伝われ!残念そうな顔をしたので伝わったと思い、そのままたどり着くと、案の定閉まってました。彼らも途方に暮れたようで、しばらく考えて「この辺りにホテルはあるか?」と。もう思わず「あっちかこっちの駅を越えたところにあるよ」と完全な日本語で答えていました。不思議そうな顔、伝わってないと思っているとふいに
老夫婦:『What’s name?』
斎藤:『Yuki saito』
老夫婦:『No ! No !』
ああ、ホテルの名前ね。とりあえずその場でホテルの名前を告げて別れました。お互いに疲れた顔をしてましたよ。こんなにも骨が折れることなのかと。そして、伝わらないのはこんなにももどかしいことなのかと、改めて考えさせられた夜でした。